
日本の音楽シーンを牽引し続けて来た Mr.Children(ミスチル)が、2026年に発表した最新楽曲「Again」は、TBS系 日曜劇場『リブート』の主題歌です。
本記事では桜井和寿さん作詞の「Again」の歌詞を読み解き、言葉の奥に込められたメッセージや物語性などを、簡単にですが勝手に解説・考察していきます。
Mr.Children「Again」歌詞解説・考察 – 作詞 by 桜井和寿
主題:消耗する日常の奥で光る「微かな希望」
Mr.Children「Again」は、心をすり減らしながら日々を生きる人間の姿と、そんな日常の奥にかすかに灯る希望を描いた作品です。
ここで語られるのは、劇的な成功や救いの物語ではありません。むしろ、ごく個人的で静かな感情の積み重ねが中心にあり、現代を生きる多くの人が抱える実感と深く響き合います。
「前向きになれ」「頑張れ」といった直接的な励ましはどこにもありません。代わりに、傷つき、摩耗しながらもなお踏みとどまる心の動きを丁寧にすくい上げています。
そして、その奥底にかろうじて残る小さな光を否定せず、そっと寄り添うように提示します。
この喧騒の時代にあって、無理に鼓舞するのではなく、弱さを抱えたまま存在していていいと示す──その“静かな肯定”こそが、「Again」が持つ主題と言えるでしょう。
期待しないという選択
冒頭の「期待しない方が利口です」という言葉は、単なる諦めではなく、何度も失望や痛みを経験した末に身につけた自己防衛の姿勢です。
将来が明るくないとわかっているからこそ、深入りを避け、関係を壊さない距離を保とうとしています。
冷静な判断のようでありながら、感情を抑え込まなければ生きていけなくなった切実さが感じられます。
「〜だけ」が示すもの
歌詞全体に繰り返し何度も登場する「傷つくだけ」「すり減らすだけ」「塗り潰すだけ」といった「〜だけ」という表現は、この作品の感情構造を象徴しています。
そこには選択肢や未来への期待がなく、何かをしているはずなのに、何も残らない感覚だけがあります。
生きているというよりも、日々を処理している状態であり、その反復が心の摩耗をより強く印象づけています。
サーフボードに象徴される失われた自分
ベランダに眠るサーフボードと、何年も足を運んでいないビーチは、かつての情熱や自由の象徴です。
それらは捨てられたわけではなく、ただ使われなくなっただけです。この描写からは、夢や楽しみを諦めたというより、それらに向き合う余裕を失ってしまった心の状態が読み取れます。
忙しさと疲労のなかで、自分らしさは静かに遠ざかってゆきます。
壊してしまう日常と深まる虚しさ
「ぶち壊すだけ」という言葉は、強い怒りを外に向けたものではなく、むしろ、自分自身や日常をうまく扱えず、結果として壊してしまう無力感を表しています。
意図的ではなく、悪意もないにもかかわらず、残るのは虚しさだけです。この感覚は、孤独や自己否定を抱えながら生きる現代人の姿と重なります。
それでも「やり直す」ことの意味

ネガティブな表現も多いMr.Children「Again」ですが、この歌詞が完全な絶望に沈まない理由は「それでも やり直すだけ」という一節にあります。
ここで語られるやり直しは、前向きな挑戦でもなければ、成功を信じて踏み出す決意でもありません。
ただ、生き続けることをやめないための最低限の意思です。何度でも繰り返される毎日は苦しみであると同時に、かろうじて保たれた希望の形でもあります。
胸の中のお宝
ラストに描かれる「胸の中にしまったお宝」は、この歌詞の核心となります。
それは、かつて笑っていられた記憶であり、誰かを想って優しい気持ちになれた自分自身です。
外の世界では見失ってしまったものが内側にはまだ残っていて、その光は控えめで目立ちませんが、確かに存在し、今日を生きる理由になっています。
Mr.Children「Again」サビで伝えたいこと
笑えていた過去への戸惑い

「いつになく笑っていれたかな?」
そんな日だって存在してたっけ?たっけ?
胸の中で光ったお宝 そっとそっと 仕舞った
サビではまず、「いつになく笑っていれたかな?」という問いを通して、かつて自然に笑えていた自分の存在が曖昧になっている心情が描かれています。
笑顔が当たり前だった日々は、今となっては遠く、本当にそんな時間があったのかさえわからなくなってしまった──その戸惑いと寂しさが、このサビの出発点です。
君がくれた優しさの記憶
「いつになく笑っていれたかな?」
そんな僕も存在してたっけ?たっけ?
優しい気持ちになれた日は 君が 君が、、
次にサビで描かれるのは「君」の存在によって生まれた優しい気持ちです。
自分一人では辿り着けなかった笑顔や温もりが、確かにそこにあったことを思い出し、失われた時間の大切さを噛みしめています。
この部分は、人とのつながりが心を支えていたことを静かに伝えています。
胸にしまった希望というお宝
前述していますが、サビを通して象徴的に描かれる「お宝」は、過去の思い出や感情、そして自分らしさそのものです。
傷つかないように胸の奥にしまい込んだそれは消えたわけではなく、今も静かに光り続けています。「Again」の「お宝」には、忘れられない大切なものへの肯定があります。
また笑える日を信じる祈り
「いつになく笑っていれたよな」
そんな日が訪れるように祈って祈って
胸の中にしまったお宝
そっとそっと
今日も優しく光った
ラストのサビが向かうのは未来です。もう一度「そんな日が訪れるように」と祈ることで、完全には失われていない希望が示されます。
無理に前を向くのではなく、優しく光る想いを抱えながら歩いていこうとする、その静かな前向きさこそが、サビで最も伝えたいメッセージです。
Mr.Children「Again」楽曲データ
小林武史がピアノで参加

楽曲名:Again
アーティスト::Mr.Children
作詞:桜井和寿
作曲:桜井和寿
編曲:Mr.Children
リリース年:2026年
タイアップ:TBS系 日曜劇場『リブート』主題歌
本作「Again」の楽曲プロデュースはMr.Childrenが手がけていますが、レコーディングには、かつてのプロデューサーである小林武史さんがピアノで参加しています。
くるみ – KSTY関連曲

2003年にリリースされたMr.Childrenの名曲「くるみ」をカバーし、2018年11月15日にYouTubeにて公開しました。
本作は、スクウェア・エニックスが配布しているMMDモデル「アニエス」を使用した、MMD導入によるミュージックビデオとなっています。
また、2018年11月22日には、ボーカロイドLilyを起用した 「くるみ/feat.Lily」 バージョンの動画も公開しました。

「前を向け」「立ち上がれ」と命じるのではなく、むしろ、すり減りながらも生き続けてきた日々そのものに静かに寄り添います。
完全には消えなかった心の奥の小さな光――それが確かにそこにあることを、そっと肯定してくれる楽曲です。
記事更新日:2026年02月02日 by KSTY





















