
2026年4月中旬、X(旧Twitter)で「歌ってみた動画を投稿すると凍結されるらしい」「弾いてみたは著作権的にアウトなの?」という噂が一気に広がり、タイムラインは不安と混乱でざわつきました。
そんな中、4月14日にJASRAC公式が投稿した「歌ってみた」「弾いてみた」動画の利用ルールを解説するXポストが爆発的に拡散され、4月17日時点で1,100万ビューを超える異例の注目を集めています。
主要メディアも次々と取り上げ、もはや一部ユーザーの話題ではなく、社会ニュースとして扱われるほどの大きな反響となりました。
実際、XではYouTubeやTikTokと異なり、楽曲利用の仕組みが特殊で、JASRACに無許可で投稿すると著作権侵害に該当し、通報が重なればアカウント凍結のリスクが現実的に存在します。
さらにAIによる検知精度の向上も相まって、これまで曖昧に扱われてきたグレーゾーンが急速に「ルールが問われる領域」へ変わりつつあります。
この記事では、今回のJASRAC公式投稿がここまで注目を集めた理由を整理しつつ、Xで楽曲を使う際の正しい手順や、凍結リスクを避けるための安全な投稿方法、JASRAC、NexToneそれぞれの仕組みまでをわかりやすく解説します。
これから「歌ってみた」「弾いてみた」を投稿する予定がある人はもちろん、既に動画を公開している人にとっても、知っておくべきポイントをひと通り押さえられる内容になっています。
JASRAC投稿が1,100万ビュー超の大反響
JASRAC公式のX投稿

2026年04月14日に投稿された「歌ってみた」「弾いてみた」動画の投稿ルールをわかりやすく説明したJASRAC公式のX投稿が、04月17日時点で約1,158万ビューに達しています。
JASRAC公式アカウントのこれまでの投稿は、数千〜1万ビューが一般的でしたが、今回の投稿はこれまでの投稿の数十〜数百倍のインプレッションを記録しており、かなり突出した数字です。
また、いいね約3.3万、リポスト約1.7万、引用約2,300件という非常に高いエンゲージメントを記録しました。
社会的なニュースへと発展
JASRAC公式として、こんなに多くの一般ユーザーの目に触れた投稿は過去にほとんどなく「始まって以来のバズ」と表現しても過言ではありません。
これは単なるバズや拡散にとどまらず、著作権に関する関心が一般層にまで広く届いたことを示しています。
実際に、朝日新聞、オリコン、産経新聞といった主要メディアでも取り上げられ、SNS上の話題が社会的なニュースへと発展しました。
JASRACがこの投稿をした主な理由
アカウント凍結事例の報告が相次いだ
今回の投稿の背景には、2026年4月上旬頃からX上で広がっていたアカウント凍結に関する噂があります。「JASRAC未申請の歌ってみた・弾いてみた動画を投稿すると凍結される」「実際に凍結されたユーザーを見た」といった投稿がタイムライン上で急速に拡散されていました。
特に、弾き語りや自分で演奏したカバー動画であっても、JASRAC管理曲である場合には無許可でXに投稿すると著作権侵害とみなされる可能性があると指摘され、凍結されたという報告も相次いでいたようです。
公式な見解としてJASRACが対応
こうした状況を受けて、JASRAC公式は2026年04月14日に投稿ルールを整理した解説をXに公開しました。
投稿文の冒頭には「現在X上で話題になっています」と明記されており、ユーザーの不安や疑問に対して公式見解を示す形での対応となりました。
JASRACの投稿の幅広い反応
この投稿に対する反応は幅広く「公式の案内が出て分かりやすい」といった肯定的な声がある一方で、「知らなかった」「過去の動画を削除する」「音無しで投稿する」といった戸惑いや対応の動きも見られました。
こうした反応から、多くのユーザーが著作権ルールを充分に理解していなかった実態や、従来の認識とのズレが浮き彫りになったといえます。
今回の大きな反響は、これまで曖昧だった著作権の理解に対して正確な情報が示されたことで、多くの人が一斉に関心を寄せた結果と考えられます。
SNSは一般ユーザーからクリエイターまで幅広い層が同じ場に集まるため、このようなルールの明確化は一気に影響が広がる傾向があります。
JASRACのXでの投稿ルール
使用料を支払う必要がある

今回の騒動の背景には、Xの著作権運用の仕組みがあります。Xでは著作権侵害に関する報告が複数回積み重なると、アカウントが凍結される可能性があります。
YouTube、TikTok、InstagramなどはJASRACと包括契約を締結しているため、使用料はプラットフォーム側がまとめて支払っています。
そのため投稿者が個別に申請を行う必要はありませんが、Xは包括契約を結んでいないため、投稿者本人がJASRACへ個別申請を行い使用料を支払う必要があります。
個人かつ非営利の場合は年額約1万円で曲数無制限といった条件が設けられていますが、申請を行わずに無許可のまま投稿した場合、「公衆送信権」や「複製権」の著作権侵害に該当します。
著作権侵害で権利者からの通報を受けて削除や警告が行われますが、著作権侵害となるだけでなく、Xの利用規約違反にもなりますので、動画削除だけでなくアカウント凍結といった重大なリスクが生じます。
黙認グレーゾーンから「AI検知+厳格運用」へ
近年はAIによる検知技術の進展により、これまで「黙認」とされてきたグレーゾーンの投稿も把握されやすくなっています。
2026年4月以降は、こうした投稿が可視化され、自動的にペナルティが付与される運用が強化されつつあると考えられます。
ただし現時点では完全な自動化ではなく、通報を起点としながらAIが補助的に検知する形で、段階的に厳格化が進められている状況だと思われます。
JASRAC管理楽曲をXに投稿する場合
リスク回避の代替手段

JASRAC管理楽曲を使用した「歌ってみた」「弾いてみた」「弾き語り」などの動画をXに直接投稿する場合には、投稿者本人が個別に申請を行い、正式な許諾を得たうえで使用料を支払う必要があります。
お金を払いたくない人がリスクを回避する方法としては、YouTubeやTikTokなど包括契約があるプラットフォームに動画を投稿し、そのURLをXに共有する形が有効です。
この方法であれば、X上で動画を拡散しても問題はありません。また、オリジナル楽曲やパブリックドメインの楽曲を利用することで、安全にコンテンツを公開することも可能です。
尚、オリジナル楽曲でも、サブスク配信時にJASRACに楽曲を信託した場合は、自分の曲でも許可を取る必要があります。
しかし、許可申請にひと手間かかりますが、個人利用の場合は使用料を支払わずに利用することも可能です。
JASRAC使用料と注意点
使用料については、投稿楽曲が9曲以上の場合は年額1万円(税別)で曲数制限なく利用でき、それ未満の場合は曲数や期間に応じて料金が算出されます。
使用料は動画公開期間中継続して発生し、解約時には関連動画の削除が必要となります。さらにXのブルバで収益化している場合は非商用ではなく商用扱いとなり、料金体系が変わる点にも注意が必要です。
NexToneもJASRACとほぼ同様
NexToneへ申請し使用料を支払う必要がある
NexToneもJASRACとほぼ同様で、YouTube、ニコニコ動画、TikTokなど多くの動画投稿サービスとは包括契約を結んでいるため、これらのプラットフォームではサイト側が使用料をまとめて支払うので個別申請不要です。
しかし、X は包括契約を結んでいないため、NexTone管理楽曲の「歌ってみた」「弾いてみた」動画を直接投稿する場合、投稿者本人が個別にNexToneへ申請し、使用料を支払う必要があります。
NexToneの使用料の目安
NexToneのXでの使用料の目安は「100円×利用作品数(上限月額1,500円)」や「月額5,000円×利用割合」などの方式が採用されています。
この計算方法は、JASRACが提示している「年額約1万円(曲数は無制限)」という仕組みとは異なるため、利用する楽曲の数が多い場合には、NexToneの方が割高になるケースもあります。
最近、JASRACに限らず、著作権に関する投稿がX上でも多いですが、こうした変化は、結果としてトラブルの少ない、より健全なオンライン環境の形成につながっていくと考えられます。
記事更新日:2026年04月17日 by KSTY

