TM NETWORK「Carry on the Memories」(2025年)/プロの歌詞解説

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TM NETWORKが2025年02月にリリースした通算48枚目のシングル「Carry on the Memories」は、同年02月28日に公開されたドキュメンタリー映画『TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-』の主題歌です。

作詞を手がけた小室哲哉さんは、さまざまな楽器が並び、今は音楽から離れた人も含め、多くの仲間が集まっていた木根尚登さんの実家の応接室を思い浮かべながら制作し、過去の情景が、この楽曲のモチーフになっていると語っています。

公開されているMVもノスタルジックで素晴らしい仕上がりですが、本記事では楽曲の世界観の核となる、小室哲哉さん作詞の「Carry on the Memories」の歌詞に焦点を当て、言葉の奥に潜むメッセージや物語性を、簡単ではありますが勝手に解説・考察してゆきます。

TM NETWORK「Carry on the Memories」歌詞解説・考察 – 作詞 by 小室哲哉

主題:思い出を抱えて進み続ける決意

TM NETWORK「Carry on the Memories」の歌詞の主題は、音楽とともに歩んできた人生を振り返りながら、仲間や支えてくれた人との思い出を胸に、それでも前へ進み続ける決意にあります。

一見すると音楽仲間との思い出を綴ったノスタルジックな物語に見えますが、その奥には「夢の変容」「仲間との別れ」「支えてくれた存在への感謝」。

そして「夢は形を変えても、思い出をを背負って生き続ける覚悟」という、非常に普遍的で深い主題が流れています。

気づかぬうちに叶っていた夢

冒頭の「いつの間にか 夢がカタチに なっていたと気づかなかった」という一節は、この歌詞全体の土台で、学生時代に思い描いていた音楽の夢が、強く意識しないまま現実になっていたことに後から気づくところから始まります。

夢を追い続ける中ではなく、振り返ったときに初めてその価値を理解するという、人生の不思議さが表現されています。

また、夢は華々しい成功だけではなく「好きなことを続けられている状態」そのものなのだ、という静かなメッセージが感じられます。

仲間との時間と社会に飲み込まれていく現実

TM NETWORK「Carry on the Memories」 クリエイト画像01

古い友と酒を交わし、ギターやピアノを奏で、リズムに歌を乗せてきた日々は、音楽そのものが青春だったことを象徴しています。音楽を通して誰かを楽しませる喜びが、語り手の原点として描かれています。

学生時代、音楽で人を楽しませながら生きていけると信じていた仲間たち。しかし「一人、二人楽器を置いていった 社会という風に 飲み込まれていった」という表現が示すように、時間の経過とともに、現実は理想通りには進みません。

ここでの「社会という風」は、責任、生活、安定といった抗いがたい力の象徴です。

重要なのは、誰かを否定していない点です。去っていった仲間も、残った自分たちも、それぞれの選択をしただけ。

だからこそ、夢を続ける者だけが抱える孤独と迷いである「残った僕らは どうしてきたのだろう」「どんな光と闇に導かれたのだろう」という自問が、優しくも切実に響きます。

ずっと支えてくれた「君」の存在

この歌詞の感情的な核となるのが「ずっと ずっと 耳を傾け 褒めてくれていた君は愛しい」で登場する「君」の存在です。

ここでの「君」は、特定の恋人であると同時に、聴いてくれた人すべての象徴とも読むことができますが、どんな場所でも、どんな音でも、耳を傾けて褒め、待ち続けてくれた「君」は、語り手にとってかけがえのない存在です。

大きな会場でも、完璧な音響でもない。それでも「僕らが唄えば 君がほほえむ」その関係性こそが、最初の夢で音楽を続ける理由だったと気づかされます。夢の原点は、驚くほど小さく、温かいものでした。

TM NETWORK「Carry on the Memories」サビで伝えたいこと

思い出を抱えて進む「Carry on」の核心

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サビで繰り返される「Carry on the memories」は、思い出と年月を重ねながら生きていく姿勢を象徴するフレーズです。

そしてそれは、TM NETWORK「Carry on the Memories」という楽曲が導き出す結論そのものでもあります。

この曲が描いているのは、過去を美化することでも、忘れ去ることでもなく、思い出を抱えたまま、それでも前へ進んでいく姿勢です。その姿勢こそが、“Carry on”に込められた本当の意味として表現されています。

積み重ねられていくのは、成功だけではありません。迷った日々、別れの痛み、戸惑い、そして誰かと笑い合った時間。そうしたすべての経験が「明日へ進む力」へと変わり、静かでありながらも確かな強さをもって、楽曲のサビで提示されています。

夢の形が変わっても歩み続ける理由

若い頃に抱いた理想とは違う場所に立っていたとしても、そこまで歩いてきた時間、出会った人々、鳴り響いてきた音は決して無駄ではありません。だからこそ、今日もまた「Carry on」と歌いながら歩み続ける意味が生まれます。

過去を懐かしむだけで終わるのではなく、その思い出を力へと変換し、明日へ踏み出す勇気に変える。

TM NETWORK「Carry on the Memories」は、夢の形が変わっても、音楽と人とのつながりを携えて進み続ける“人生賛歌”とも言える作品です。


TM NETWORK「Carry on the Memories」楽曲データ

TMドキュメンタリー映画の主題歌

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<楽曲情報>
楽曲名:Carry on the Memories
アーティスト:TM NETWORK
作詞・作曲:小室哲哉
編曲:小室哲哉
リリース年:2025年
タイアップ:ドキュメンタリー映画『TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-』主題歌

2024年に行われたツアー「TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~」にて披露された「Carry on the Memories」は、ドキュメンタリー映画『TM NETWORK Carry on the Memories -3つの個性と一つの想い-』の主題歌です。

ライヴでは小室哲哉さんと木根尚登さんがリードボーカルを担当しましたが、スタジオ音源化にあたっては宇都宮隆さんがメインボーカルを務めています。

宇都宮隆さんは「2人が先にライブで歌っていた曲なので、自分なりに歌うのは大変でしたけどね(苦笑)」とコメントを残しています。

The Point of Lover’s Night(1990年) – KSTY関連曲

カバー楽曲「The Point of Lover’s Night – TM NETWORK 40th Tribute ver. -」を、TM NETWORK 40周年記念にリスペクトを込めて2024年08月09日にYouTubeで公開しました。

楽曲自体は07月上旬に出来上がっていたのですが、動画を制作する時間をなかなか取ることができずに08月の公開となりました。

The Point of Lover's Night - 制作メモ/原曲:TM NETWORK(1990年)
KSTY カバー曲「The Point of Lover's Night - TM NETWORK 40th Tribute ver. -」の制作メモページです。「選曲理由」「楽曲制作」などを記載しています。「The Point of Lover's Night」は1990年のTM NETWORKの楽曲です。TM NETWORK 40周年記念にリスペクトを込めて制作しました。
小室さんが「TMにしては珍しい、どこか郷愁を感じさせる世界観じゃないかな。普段なら照れて使わないような単語が出てきますから」と語っているように「Carry on the Memories」の歌詞にはフォークソングを思わせる表現が登場します。

「古い友と酒を交わした」「遠いあの町 港がある町」といったフレーズは、意外性があると同時に、とても新鮮に感じられました。

また、リアルタイムでTMのファンだった人にとって「Carry on the Memories」のMVは、自分たちの青春時代を重ね合わせられる作品に仕上がっています。そのため、視聴しながら思わず涙した人も多かったのではないでしょうか。


記事更新日:2026年02月07日 by KSTY